読書感想文:お金2.0 新しい経済とルール[佐藤航陽]


一時期書店や電車の広告で、目立つ表紙だったので気になってました。

最近、電車でKindle読書するようになったので読んだ感想とかまとめていこうと思う。

2019/02/09時点では、amazon kindle unlimitedで読み放題無料です。

どんな本か

ひとことで表すと?

人生設計本。

お金!大事!資産運用!

って本ではないです。

どちらかというと、お金がなぜ価値のあるものになったかの原理やこれから大事な事について書いてあります。

読んですぐ役に立つの?

すぐには役に立ちません。

特に、50代以上の世代の方には、カルチャーギャップはあってもそれをすぐ修正することは難しいと思います。

逆に、若い世代は常識感覚が上の世代と違うので本書の内容がすんなり入っていく気がします。

なぜ中年と若年で分けたかというと、本書を読めば分かりますがテクノロジーが関連しています。

お勧めの人は?

特に世代に関係なく、全世代におすすめです。

特に、上ですぐに役には立たない。と言っておきながら中年以上の人にはお勧めです。

テクノロジーが進歩していく世界で、ただ毎日を過ごすと自分と周りとのギャップに苦しむ事になると思います。

若い世代の人は、これからの人生の在り方を感じ取るための本としてお勧めです。

寸評

開始日    :2018/02/07
終了日    :2018/02/09
選択した行動 :kindleで通勤中に「お金2.0」を読んだ
誰とやったのか:1人で
得られた快楽 :8点 いわゆる投資や資産運用的な、キャピタルゲインのお話ではく法則概念的なお話だったので意外だった。
感じたやりがい:8点 今後何かのかたちでサービス形成するとき、また読むべきだと感じる本だった。
やる前の期待値:6点 資産運用とか、お金の仕組みの解説本だと思ったのであまり期待していなかった。
結果
お金という概念の説明というよりは、価値基準の概念のお話。
お金だけで物事を捉えるのではなく、「感情」「テクノロジー」も含めて「お金」であるという考え方は今後のサービス形成に重要な意識だと思う。

内容について

5章構成です。
経済的な用語が度々使われているので、慣れていないと読むのに苦労するかもしれません。

仮想通貨や現在の金融の仕組みを知っている人が読むと、スラスラ読める内容でした。
経済用語例)シェアリングエコノミー、評価経済、リープフロッグ現象

読み切る目安時間

4時間~5時間程度。
慣れていない人だともっとかかるかもしれません。

通勤電車の往復で2日(1時間×2日)で2時間
この記事を書くために改めてメモを取りながらで2時間
合計で4時間ですね。

第1章 お金の正体

お金ってそもそも何なのか

お金という概念はあったけど、いわゆる現在の通貨経済はこの100年程度の歴史。
もともとお金とは、そもそも価値を統一させるための「道具」だった。

投資や株などの、お金がお金を生む経済構造(キャピタルゲイン)ができた結果、現在はゆがんだ構造になっている。
パレートの法則のように、上位数パーセントの人の資産だけで残りの全員の資産を超えてしまっている状況です。

未来をつくる3本の矢

未来とは、「お金」「感情」「テクノロジー」が総合的に作用して生まれるもの。
利益率がいい会社でも、倫理的に問題を抱える商品を売ると世間の「感情」がついてこないので問題。
世間的に良いとされる行為でも、利益率が悪いと「お金」がついてこない。

経済構造を人の手で創る

前提として、勝手に成長するシステム構造でないとうまくいかない。
例えば、ワンマンで実力があってもその人がいなくなると機能しないような構造ではダメ。
また、本ではこう書かれています。

「この持続的かつ自動的に発展していくような「経済システム」にはどんな要素があるかを調べていった結果、5つほど共通点があることに気がつきました。  ① インセンティブ、 ② リアルタイム、 ③ 不確実性、 ④ ヒエラルキー、 ⑤ コミュニケーション、の5つ」
引用元:佐藤航陽(2017年11月発行)「お金2.0 新しい経済のルールと生き方 」(第1章、KindleNo470)

思い返してみると、最近バズったSNSや現象はだいたいこの①~⑤を満たしていることが分かります。

また、経済に永遠はないので「寿命」があることも念頭に置く必要があります。

経済は自然と似ている

経済は人工物的なのに、自然と似ているというのに違和感があります。

詳細は書籍中で述べられていますが、以下①~③の要約です。
①自然的な秩序形成
②エネルギーの循環構造
③情報による秩序の強化

「絶えずエネルギーが流れるような環境にあり、相互作用を持つ動的なネットワークは、代謝をしながら自動的に秩序を形成して、情報を内部に記憶することでその秩序をより強固なものにする」
引用元:佐藤航陽(2017年11月発行)「お金2.0 新しい経済のルールと生き方 」(第1章、KindleNo917)

つまり、経済を発展させるためには自然構造と真似すれば良いということですね。
その上で、このように警告もしています。

「自然の構造に近いルールほど社会に普及しやすく、かけ離れた仕組みほど悲劇を生みやすい」
引用元:佐藤航陽(2017年11月発行)「お金2.0 新しい経済のルールと生き方 」(第1章、KindleNo961)

この法則の特に②の循環を無視した現在の日本経済は、危ない状況ということでしょうか。

第2章 テクノロジーが変えるお金のカタチ

仕組みを知ること

よくあるバズワードを見ると、その概念そのものを理解したつもりになりやすいです。
しかし、そのテクノロジーや原理を理解して現象そのものを理解する必要があります。

分散化

今後は分散化に向けたサービスが多く出るという指摘があります。
例えばAirbnbや、Uberなんかが特徴的な例ですね。

IT業界だと、仮想環境にデプロイした資材でCI(継続的インテグレーション)を回すことで、時間コストを軽減できます。

これらは分散化した事で、大きくメリットを得やすいので非常に重要な感覚だと思いました。

トークン化社会

ビットコインがこの代表的な「トークン」の例です。
youtuberなんかも、イイネの数やチャンネル登録者数などがこれにあたります。
登録者数が多い投稿者に、金ボタン配ったりしていたのは印象的な出来事ですね。

テクノロジーがもたらした変化

SNSやAI、自動化によって世界は大きく変化しました。
これからは経済構造そのものを各自が作り上げていくことが可能な時代に突入します。

その時、現在起きている現象やテクノロジーが分からないと、出遅れてしまいますね。

第3章 価値主義とは何か?

価値ってなんだ

全世界のお金の流れのうち、9割は資産経済(資産家の投資など、お金からお金を作る経済)です。
僕たちが食事や本を買ったり、娯楽に使うお金はわずか1割程度しかないということです。

資本主義の価値はお金ですが、お金の価値そのものが下がってきているのが現状です。
資産という概念が、2章でもあったように多様化しているので単純なお金を持っているかどうかで価値は語れなくなってきています。

特に、IT企業なんかはお金はなくてもテクノロジーや技術が価値として認められます。
借金している人が、テクノロジーで一気にユニコーン企業になったり、買収されて時価総額がハネあがったりなどは稀にあることです。

また、2章のトークン化でも述べられていますが、SNSのオピニオンリーダーの人達は、数多くフォロワーを抱えています。
このフォロワー数というのは1つの資産価値とも見れますが、これも資本主義としてはお金ではないため、価値はありません。

どの視点に立つかによって、価値というのは大きく変わってくるのだと思います。

資産主義→価値主義への変化

今までの世界の流れから、資産主義は依然として残りつつもだんだんと価値主義へと変化しているのが分かります。
注目(フォロワー)や共感(イイネ)の承認欲求が心理的な価値として換算されたりします。
また、この価値を現在の資産価値に変換するサービス等も出てくるかもしれません。

経済の選択

今までは資本主義的な、「お金」ありきの経済がメインストリームでした。
しかし、今後「価値主義」に則った世界になると、経済システムそのものを選択できるようになってきます。
筆者は以下のように述べています。

「ネットが十分に普及した世界では、「どれが一番正しいのか?」という考え方ではなく「どれも正しい、人によって正解は違う」という考え方が徐々に受け入れられても良い はずです」
引用元:佐藤航陽(2017年11月発行)「お金2.0 新しい経済のルールと生き方 」(第3章、KindleNo1807)

このように多様性が出てくると、仮に失敗してもやり直しが効くというメリットがあるとも述べられています。

会社で失敗して退職したら次がない。という現状から「スキル」があれば転職・独立は簡単。

という時代にシフトしているのもこの影響はあると思います。

第4章「お金」から解放される生き方

好きなことで生きてく

僕もそうですが、1980年代以降に生まれたいわゆる「ミレニアル世代」は、生活が困らない程度には裕福です。
生まれた時にすでにPCがあって、スマホが普及している。
といった世代は「お金を得るために貪欲に働く」という動機がそもそも薄いです。

お金が欲しくないわけではないですが、別に生きていける。
というのが現状ではないかと思います。

こういったミレニアル世代が、どう生きるべきなのかを指南しています。
具体的には、目的を持てる世界を作り出すことが大きな価値であることが挙げられています。

現実に起きていることで表すのであれば、アイドルを応援する人達なんかはこれに当てはまると思います。

アイドルから提供されるのは、自分たちを応援してもらうことと知ってもらうこと。
応援する人たちは、「応援すること」を目的として稼いだお金を投資します。
これによってお互いがwin-winの関係となっています。
youtubeのスーパーチャットはこのアナログ的な活動がテクノロジーの進歩で仮想化したものですね。

心は飽きるということ

いわゆる平均的な日本人であれば、小学校と中学校の義務教育を受けます。
そこでは、算数、国語などの基本的なことを勉強します。

僕が学生の間に思ったこととして
「これ、将来役に立つの?」
「こんな事勉強したって、意味ない」
といった、「やらされている感」がものすごく強かったです。

今、これを読んでいて会社で働いている人(特に残業が多く、自分の時間がない人)は

学校教育時代と同じで「やらされている状態」になっている人は多いと思います。

この状態の何がまずいかというと、自分のやりたいこと(情熱)がだんだんと忘れてしまう事であると本では紹介されています。
好きな事だけしていれば良い。というわけではないと思いますが、自分のやりたいことを忘れないようにバランスを取ることは必要です。

第5章 加速する人類の進化

テクノロジーも宗教

特定の企業やブランドを好んで使う人は見かけますね。

SonyやApple製品を好んで購買する人は典型だと思いますが、その人たちが特別宗教活動をしているとは言えません。
しかし、行為そのものは宗教行為とあまり大差はなく、「〇〇信者」と揶揄される事もたまにあります。

今後、GoogleやAppleなどの企業がある種「国」のような物を作り上げた場合、それは宗教と似た構造ではないでしょうか。
ただ、その境界線はどんどん曖昧な物になっていくような気がします。

選ぶ時代へ

今までにも書いてある通り、「お金」や「価値」といった基準はどんどん曖昧な物になります。
新たなテクノロジーが誕生することでより加速度的に選択肢は増えていきます。

以下の文章は非常に共感が持てる言葉です。
特に、ミレニアル世代で生まれた人は概ね同意できるのではないでしょうか。

「 当然、今の私たちからしたら到底受け入れがたい環境ではありますが、それは私たちがそれがなかった世界を知っているからです。生まれた瞬間からその技術が存在している場合は便利なツールとして受け入れることができると思います」
引用元:佐藤航陽(2017年11月発行)「お金2.0 新しい経済のルールと生き方 」(第5章、KindleNo2391)

まとめ

結局、お金は大事。

ではあるものの、「大事」なものが「お金」から別の「対象」が変化する世の中になってきています。
その際、「経済」の基本法則やどの部分に焦点を当てれば良いのかを知る事で、無理なく生きていく時代になるのではないかと思います。

本書では「基本法則」や「考え方」を学ぶことができます。
自分が不足していて必要な部分を本書で補っていけると良いと思います。

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