読書感想文:その「エンジニア採用」が不幸を生む[正道寺 雅信]

ここ数日、自社におけるリファラル採用に悩んでいます。
僕のポジションは人事ではなく、会社所属のエンジニアなので採用のノウハウはありません。

なので、どの様に活動して、どの様に結果を定量化すべきで、どの様に浸透させるのか。
といった活動に対する方法論が分かりません

リファラル活動を実践するにはケースが限られます。
なので、実践までにせめて知識だけは蓄えておこうと思い、本書を読むことにしました。

読んだ上で、エンジニアとして意外な気付きがあったのでシェアします。

どんな本か


ITコンサルの方が、実体験をもとに事実ベースで書いた本のようです。
・経営者
・人事(採用担当)
・エンジニア
の3者の視点から、なぜ「不幸な採用」が生まれてしまうのか?
というのを考察した本になります。

前半は事例紹介
後半は対策と意識すべき点

という具合で書かれています。

寸評

開始日    :2018/05/01
終了日    :2018/05/07
選択した行動 :通勤中と、お風呂での読書
誰とやったのか:1人で
得られた快楽 :4点 文章が肌にあわなかったのと、図などが少なく理解が難しかった
感じたやりがい:7点 採用に特化した内容と思いきや、エンジニアのキャリアについて考えさせられる本だった。
やる前の期待値:8点 他のブログの紹介と、キャッチーなタイトルで期待は高かった。

結果

エンジニアという流動性の高い業種の採用難易度が高く、難しい。
という点は嫌でも伝わった。問題が根深過ぎて途方に暮れるので、大問題を中問題→小問題に分割して
細かく改善していけたらと思う。図が少ない。と書いたが、実際に調べてみた。269ページあるうち、図や表は4章の登場する1個のみだった。(参考の項のnoteで、その図は見られます)

内容について

全体量がとにかく多い。

章毎にはこんな感じ。
僕はエンジニアなので、特に3章がキャリアを考え直す良いきっかけになって印象的だった。

章構成 読んだ方がいい人 内容
1 経営者 企業の採用失敗談
2 人事 採用する側の問題
3 エンジニア 採用される側の問題
4 経営者・人事・エンジニア エンジニアの必要性
エンジニアタイプ分け
5 経営者・人事 良い人を取るには?
6 経営者・人事 採用と労働の仕組み化

読み切る目安時間

8時間~10時間くらい。

登場人物が企業、人事、採用会社、エンジニア・・・と多くなりがちで頭の中の整理がしづらい。
人物ごとに、記号なり図なりがあると理解が楽だったかもしれない。

3章(エンジニア向け)の考察

全部書いてるととんでもない事になってしまいます。
なのでエンジニア視点で3章について思ったこととを書いておこうと思う。

少しでも共感してくれる方がいれば幸いです。

転職サイトの口当たりの良さ。

エンジニアはリップサービスに弱いという話。

例えば、あなた(エンジニア)が転職するにあたって転職サイトに登録したとする。

まずは電話や対面での面談となると思います。
年齢や技術力にもよると思いますが、必ず一度は何かしらの形で

褒められます

採用担当A:「○○さんはこんな熱心に勉強しているんですね!すごい!」
採用担当B:「このスキルセットなら、○○さんはすぐ採用決まりますよ!」

・・・みたいな口当たりのいいリップサービスを受ける事だろうと思う。

エンジニアはこんな感じで、ベタ褒めされることに慣れていない事が多い気がします。
なので、強烈なリップサービスを貰うと自尊人が満たされ、良い気持ちになります。

何が悪いかというと、業界や雰囲気に流されてしまうことになるからです。
それは良い意味でも、悪い意味でもあります。

まず、悪い方向へむかうとどうなるか
そのままの気分で、あれよあれよと説明を受けていざ面接!となったときには面接会社から

採用企業:「こんな年まで何やってたの?」
採用企業:「スキル不足だからうちではちょっと厳しいかな」

・・・というご指摘や、口では言わないがそのような態度を頂戴する。
こんな面接のときは、結果は残念なことが多いでしょう。

こういう経験を複数繰り返すと、心がとっても疲弊します。

採用担当からは褒められ、採用企業からは厳しい目に晒される。
こうなるとモチベーションが、まさにジェットコースターの如く一気に下降します。

こうなりやすいのは「自分の意見があまりない」、「他人から認められるのが生きがい」
といった方に陥りがちです。

では、良い方向へむかうとどうなるか
一時的なモチベーションが上がり、成長の為の起爆剤として使えます。
面接や面談をきっかけに、自分を見つめ直すことになった人も多いんじゃないでしょうか。

そんなの当たり前だ!社会をなめるな!と思うかもしれません。
しかし、正論を体験として振りかざすと、分かっていても心にサビは溜まっていくものです。

採用担当の方は、企業とエンジニアを結びつけるのがお仕事です。
本書でも触れていますが、採用担当の美男美女のもてなしに惑わされないように注意したいものです。

退職するときの原因と入社の決め手が違う

ちぐはぐなキャリアパスは、結局自分も企業も苦しいという話。

エンジニアが退職する理由の多くは、「正しい評価がされないこと」だそうです。
評価の中には当然お給与が安いという、賃金査定を含みます。

しかし、いざ別の会社に転職したときに入社の決め手を聞いてみると
「働きやすそうだから」が一番多いんだとか。

・・・おかしいですね、矛盾しています。

たしかに僕自身も、賃金評価の意味では不満だったりする。
けどそもそもなんで不満になるのでしょうか?

それは本書でも触れていますが、他人と自分を比べた結果にあると思われます。

よくある話で海外のエンジニアの報酬が高くて、日本では安い。といった所から
自分(たち)エンジニアは、もっと給与が高くてしかるべきだ。
という結論に至ったり。

作った製品はxxx億円で売れて、僕たちが貰っているのはyy万円程度か。
というトップダウンから逆算される結論に至ったり。

理由は様々だと思いますが、こんな感じで給与に対して不満を積み上げていきます
やがて積みあがった不満が、我慢の限界を超えた時に

「よし、転職しよう」

という具合で転職するトリガーが引かれます。

その時の熱意はやはりお金でしょうし、年収1.5倍にするんだ!などと意気込みます。
しかし、上記でも述べたように現実は結構非情だったりします。

熱意に油を注がれる形でリップサービスを受けて、更に期待は上昇。
しかし面接では厳しく現実を容赦なく叩きつけられる。

こんな経験を何度もすると、だんだん疲れて
「いい会社(自分を認め、受け入れてくれる)ないかなー」
という思考へ陥り、結果的に現状維持レベルの会社を選択したりする結果になります。

このような傾向は、自立的にSNSや先輩、友人のツテを元に転職活動できる方はあまり当てはまりません。

なぜそうなるかというと、キャリアとして何が大事なのか?をしっかり確立していて、
しかも時代の変化の流れにたいして、適切に適応するからだと思います。
実際に、僕の周囲で「自分の力で世界を変えたい」という志が高めの方はこういう転職はあまりしていません。

流されやすい人は、往々にして自分が無いため
「自分の中で一番大事なもの」
環境依存でブラブラしています。

なので、金銭が辛い時には「お金」
精神的に安心したい時には「承認欲求や労働時間」
といった具合にその時の環境ごとに意見が変わっていきます。

確かに精神的には辛いし、そうなる事も仕方のない事だとは思います。
しかし、自分がどうなりたいのか?というのは改めて自問自答しても良いと思います。

まとめ

企業・人事・エンジニアの3社の視点で繰り広げられる採用の難しさが垣間見える。

企業としては
自社がどんなタイプで、どんなエンジニアを欲しいかが整理できる。

人事としては
採用媒体の扱いや、業界の傾向が整理できる。

エンジニアとしては
キャリアパスの不明瞭感や、どの様に転職活動すべきかが整理できる。

そんな本でした。

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参考

ちなみに、本書を手に取るきっかけは以下のnoteでした。
『その「エンジニア採用」が不幸を生む』を読んだ ~優秀エンジニアをどう採用するか~

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